初診日の加入制度で変わる障害年金

障害基礎年金と障害厚生年金の違い
初診日・等級・金額を解説

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障害基礎年金と障害厚生年金の違いは、初診日に加入していた年金制度、対象となる等級、年金額の決まり方にあります。がんで障害年金を考えている方に向けて、表と図でわかりやすく解説します。

まずは初診日に加入していた年金制度を確認

障害年金では、請求する原因となった病気やけがについて、初めて医師などの診療を受けた日を「初診日」といいます。原則として、この日に加入していた制度によって、障害基礎年金か障害厚生年金かが決まります。

がんと診断された日が、必ず初診日になるわけではありません。
がんと関連のある症状で先に受診していた場合は、その受診まで遡って確認します。

初診日の加入制度と障害年金の関係。国民年金の第1号・第3号被保険者は障害基礎年金、厚生年金の被保険者は障害厚生年金の対象。受給には各要件があります。

職業名だけでは判断できません。パート勤務でも厚生年金に加入していれば障害厚生年金の対象になり得ます。一方、配偶者が厚生年金に加入していても、ご本人が第3号被保険者なら障害基礎年金になります。

また、年金制度に加入していない20歳前に初診日がある場合や、国内に住む60歳以上65歳未満の年金未加入期間に初診日がある場合にも、基本的には障害基礎年金の対象となります。

障害基礎年金と障害厚生年金の違いを比較

初診日の加入制度・等級・金額・加算の比較
比較する点 障害基礎年金 障害厚生年金
初診日の加入制度 国民年金など 厚生年金
対象となる等級 1級・2級 1級・2級・3級
金額の決まり方 等級ごとの定額 過去の報酬と加入期間などに応じた報酬比例
1級・2級の受給 障害基礎年金 障害基礎年金と障害厚生年金をあわせて受給
家族の加算 要件を満たす子の加算 1級・2級では、要件を満たす配偶者の加給年金額
障害手当金 なし 一定の要件を満たす場合に一時金

※初診日の要件に加え、保険料納付要件や障害の状態などの要件を満たす必要があります。障害年金の等級は、障害者手帳の等級とは別の基準です。

図で見る「1階部分」と「2階部分」

障害厚生年金の1級・2級に該当する場合は、原則として、1階部分の障害基礎年金に2階部分の障害厚生年金が上乗せされます。

初診日が国民年金など

1級・2級の場合
1階部分障害基礎年金等級に応じた定額

初診日が厚生年金

2階部分障害厚生年金報酬などに応じた額
1階部分障害基礎年金等級に応じた定額
障害年金1級・2級の基本的な仕組み

障害厚生年金3級は、障害基礎年金の上乗せではありません。
3級には障害基礎年金がなく、障害厚生年金のみが支給されます。

障害手当金は年金ではなく一時金です。初診日から5年以内に傷病が治り(症状が固定し)、3級よりやや軽い一定の障害が残った場合などに、要件を満たせば支給されます。がんでも自動的に支給されるものではなく、障害の内容や経過の確認が必要です。

令和8年度の金額はどう違う?

令和8年度(2026年4月分から2027年3月分)の年額です。下表は、昭和31年4月2日以後生まれの方の金額を示しています。

種類・等級 年金額(年額)
障害基礎年金1級 1,059,125円
障害基礎年金2級 847,300円
障害厚生年金1級 報酬比例の年金額 × 1.25
+ 障害基礎年金1級
障害厚生年金2級 報酬比例の年金額
+ 障害基礎年金2級
障害厚生年金3級 報酬比例の年金額
最低保障額 635,500円

障害基礎年金には、要件を満たす子について、第1子・第2子はそれぞれ年額243,800円、第3子以降はそれぞれ年額81,300円が加算されます。障害厚生年金1級・2級では、生計を維持している65歳未満の配偶者について、要件を満たすと年額243,800円の加給年金額がつきます。配偶者の年金受給状況などによっては支給停止となります。

※昭和31年4月1日以前生まれの方は、障害基礎年金1級1,056,125円、2級844,900円、障害厚生年金3級の最低保障額633,700円です。

障害厚生年金の報酬比例部分は、過去の標準報酬月額・標準賞与額や加入期間などで決まります。計算の基礎となる加入月数が300月未満の場合には、300月とみなして計算します。

障害年金の金額・計算方法・加算を詳しく見る

よくある疑問

今は退職しています。障害基礎年金になるのですか?

現在の加入制度だけでは決まりません。初診日に厚生年金に加入していれば、退職後の請求でも障害厚生年金の対象となり得ます。年金記録と初診日を確認しましょう。

昔、厚生年金に入っていれば障害厚生年金を選べますか?

過去に厚生年金の加入歴があるだけでは、障害厚生年金を選ぶことはできません。初診日の加入制度がポイントです。

がんで働いていても請求できますか?

働いていることだけで、請求できないと決まるわけではありません。がん自体の症状や治療の副作用による、日常生活・仕事への支障などから判断されます。仕事内容や勤務時間、職場の配慮、家族の援助も整理しておくことが大切です。

がんの障害年金の認定基準はこちら

迷ったら、初診日と年金記録の確認から

制度の違いがわかっても、ご自身がどちらに当てはまるかは、受診歴や年金記録の確認が必要です。がんと診断される前の受診が初診日になる場合もあるため、通院先や受診時期を時系列で整理してみましょう。

請求には初診日、保険料の納付、障害の状態などの要件があります。事後重症による請求は原則として請求した月の翌月分からの支給となるため、体調や生活への影響があるときは早めにご相談ください。

請求手続きと3つの受給要件を確認する

参考資料

制度・金額の確認日:2026年10月23日

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制度の基本情報:日本年金機構「障害年金」