障害年金には永久認定と有期認定があります。がんで障害年金が認められる多くのケースでは有期認定になります。有期認定の場合は障害状態により1年〜5年の範囲で決定され、その都度、診断書の提出が必要となります。今回はがん障害年金における更新について詳しく解説したいと思います。

永久認定と有期認定

支給されている障害年金の更新時期は、年金支給決定時に送付された「年金決定通知書(年金証書)」を確認します。

永久認定

病状が固定して変わらないと判断され審査不要となるのが永久認定です。
初回の更新期間は短くても、だんだん更新期間が長期になり永久認定となる場合もあります。

有期認定

症状が固定していない場合は有期認定となります。有期認定には1年〜5年の期間がありますが、がんでは1年または2年が多いです。がんでも症状固定またはそれに近い状態と認められれば、永久認定または3年以上の有期認定とされる可能性はありますが、がんという病気の性質上、薬剤変更や病状の進行により症状が改善または悪化することが多く、3年以上の長期間で認定されるケースは少ないです。

更新はいつどのような手続きが必要なの?

がんの場合は有期認定になることが多く、その場合は1年から5年で更新が必要となります。
更新時には「障害状態確認届(診断書)」の提出が必要です。
初回請求時に必要であった、受診状況等証明書や病歴・就労状況等申立書は必要ありません
提出先は年金事務所となりますが、障害基礎年金を受給の方のみ、お住まいの市区町村役場の窓口でも提出できます。

障害状態確認届とは?

更新月の3ヶ月前の月末までに「障害状態確認届(診断書)」が日本年金機構より送付されます。配偶者や子の加算がある受給者には「生計維持確認届」も同時に送付されます。障害状態確認届(診断書)は提出月前3ヶ月以内に医師に作成して貰う必要があります。提出が遅れると、年金が差し止めになる場合があるので注意が必要です。ただし、差し止めになっても、その後提出すれば差し止め分も含めて支給が再開されます。2週間ぐらいの遅れであれば、差し止めにならずに済むことが多いです。

障害状態確認届の審査について

同じ等級の場合

提出後に等級の変更がなければ、「次回診断書提出年月日のお知らせ」が届きます。

重い等級に変わる場合

更新月に症状が悪化して重い等級への変更を求める場合は、「障害状態確認届(診断書)」と一緒に「額改定請求書」を提出するのがいいと思います。重い等級への変更は額改定請求を提出しなくても行われることもありますが、額改定請求を提出していないと、不服申立てができなくなります。
重い等級に変わるときは、提出月の翌月から年金額が増えます。
その際は「年金決定通知書・支給額変更通知書」が届きます。

軽い等級に変わるまたは支給停止になる場合

軽い等級変わるまたは支給停止となる場合は、提出月の翌月から起算して4ヶ月目の支給分から変更となります。
その際は「年金決定通知書・支給額変更通知書」が届きます。

更新時期について

1年更新の時期は、誕生月(20歳前障害の場合は7月)が裁定日(障害年金支給が決定した日)より1年以内にある場合はその翌年になります。例えば4月に誕生日がある方が、3月に裁定されて、1年更新であれば、翌年4月が更新時期です。

4月誕生日の方の「1年更新」の場合で誕生月前(3月)に裁定された場合

 

一方、4月に誕生日がある方が前年の5月以後に裁定され、1年更新であれば、翌々年4月が更新時期となります。このケースで5月以後裁定の場合は2年更新と区別がつかず、この場合は1年更新か2年更新かは年金事務所などに確認しなければ判断できないということになります。

4月誕生日の方の「1年更新」の場合で誕生月後(5月)に裁定された場合

 

障害状態確認届(診断書)記入時の注意点

障害状態確認届(診断書)を丁寧に医師に記載してもらうことが重要です。これは初回に障害年金請求したときと同じです。
診断書は提出年月日以前3ヶ月以内のものが必要となります。
まずは、診断書が病状を表すためのものが全部揃っているかを確認し、診断書の種類が相違していたり必要枚数がたりなければ、年金事務所に問い合わせて取り寄せましょう。特に複数の診断書を使用するケースでは注意が必要です。もし、症状の悪化等により、別の様式の診断書を必要とする場合には、年金事務所から他の様式の診断書を取り寄せ、医師に書いてもらい一緒に提出するのがいいと思います。

前回請求時と別の医師に書いてもらうとき

医療機関の転院や主治医の変更などで、前回請求時と別の医師に診断書を書いてもらうときは注意が必要です。医療機関が同じであれば、前回請求時に診断書もカルテに残っていると思いますが、転院した場合は前回の診断書の写しを現在の主治医に渡して、改めて丁寧に現在の自覚症状など病状を訴え、日常生活や就労状況等についても詳しく伝える必要があると思います。その際は口頭だけではなく、前回請求時からの状況を「病歴・就労状況等申立書」のような形式で記載したものを渡すといいでしょう。
とくにがんの場合は、診断書を書いたことがない医師も多いので、前回請求時と同じように丁寧に診断書の準備・確認をしましょう。

 

 

 

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