がんと闘病していくなかで、情報収集はとても大事になります。病気のことを調べるときはもちろん、治療と仕事の両立、がん患者支援制度などを調べるときなどは、正確な情報を手に入れることにが大事です。しかし、検索サイトの上位にくるサイトが、がん患者にとって必ず有益な情報を提供しているかというと、そうではない場合もあるのが事実です。
がんに罹患し時間が経ち患者歴が長くなると、信頼できるサイト、信頼できないサイト、というのがわかってきます。
怪しいサイトは、「がんが消えた」、「末期がんが治った」、「最先端の治療ができます」などを謳うサイトです。
私自身、NK細胞免疫療法という民間療法に数百万円使った経験がありますし、医師からすすめらた標準治療を断って病院を転院した経験もあります。だからこそ、見えてくるものがあります。結論的に標準治療がいちばん効果が証明された治療であり、一番効く治療です。このベースの考えだけは持っておきましょう。
ここでは、2012年からがん患者になり、情報収集をしてきた自身の経験に、社会保険労務士の専門的視点をプラスして、がんの情報収集に役立つおすすめサイトを紹介したいと思います。
このページの目次
がん情報収集をするためのおすすめサイト
自分の病気を知る
国立がん研究センターが研究・収集したデータの、情報発信をするサイト。
国立というだけあり、情報が正確で、ガイドライン沿った標準治療を紹介しているので、自分のがんについて知りたいときは、まず、「国立がん研究センターがん情報サービス」にいけば、間違いないです。このサイトのそれぞれの情報は、専門家が研究した内容をもとに作っています。公的なところなので、嘘や誇大広告もなく安心です。
がんになって、まず知りたいことは自分のがんについてだと思います。
例えば、私の経験でいえば、検索するとき、「肺がんステージ4、治療法」だったり、「肺がんステージ4、余命」だったりしました。そんなときは、このサイトにくれば、間違いないです。
治療のことだけではなく、がん患者の闘病生活を支える内容もたくさんあるので、まず、このサイトを見てください。
米国国立がん研究所(NIS)のサイトが日本語で見ることができるサイトです。世界最大の包括的がん情報データベース(PDQ)の日本語版をはじめてとする、がんに関する最新情報を見ることができます。
標準治療だけでなく、治療に関する最新の情報を載せているので、日本のガイドラインにない治療を紹介していることがあり、ここに載っている治療が自分に必ずあてはまらない可能性はありますが、勉強になることが多いです。
「国立がん研究センター情報サービス」をベースにして、両方見てみるのもいいと思います。治療の説明なども、わかりやすくなっているので、オススメです。
診療ガイドライン
肺癌診療ガイドライン2019版(にほん肺癌学会)
大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版(大腸癌研究会)
乳癌診療ガイドライン2018年改丁版(日本乳癌学会)
胃癌診療ガイドライン2018年改丁版(日本胃癌学会)
膵癌診療ガイドライン2019年版(日本膵臓学会)
肝癌診療ガイドライン2017年版(日本肝臓学会)
*他のがん種については各自お調べください。
学会等が出版する公式診療ガイドラインです。すべて医師向けとなってますので、内容は上記2つのサイトよりかなり難しく専門的です。現場の医師は、基本的にはこのガイドラインに沿って治療をしますので、自身の治療をきちんと理解したい人は、この診療ガイドラインを見るのもいいと思います。診療ガイドラインを見て勉強すると、診察のときに医師にいろいろ質問したくなります。
医師向けといっても、近年、患者の声もガイドラインに反映させる動きが見られ、私が顧問をしているNPO法人肺がん患者の会ワンスッテプの長谷川代表は、肺癌診療ガイドラインの作成委員をしていたりします。なので、医師向けといっても、そんなに患者から遠いものではなく、興味のある患者にとってはとても勉強になるものです。
自分が使っている薬の製薬企業Webサイト
進行がんで闘病中の患者さんは、なにかしらの薬を使っている方がほとんどだと思います。副作用の情報などは製薬企業のWebサイトで確認できることが多く、専用の問い合わせ窓口を設けている製薬企業もあります。特に薬が新しいと、医師も知らない副作用がある可能性もあります。私自身もオプジーボを使用していたときは、小野薬品のWebサイト見たり、問い合わせをしたことがありました。一度、自身が使っている薬の会社のWebを見てみるのもいいかもしれません。
新薬情報・臨床試験(治験)を知る
標準治療については、「国立がん研究センターがん情報サービス」や診療ガイドラインに記載がありますが、『新薬の情報をしりたい』『開発中の薬を試してみたい』『もう標準治療がない』という相談をよく受けます。
そんな情報を知りたいときのおすすめサイトを紹介します。
以下のサイトで調べたうえで、その情報について主治医と相談するのがベストだと思います。
一般の患者さんを対象にわかりやすく臨床試験の情報を載せています。また、製薬企業または医療機関や研究グループから依頼を受け、治験応募広告もあり、患者さんに非常にわかりやすくなっています。
治験・臨床試験に関するQ&Aにて、臨床試験・治験のことをわかりやすく解説しており、「臨床試験・治験ってなに?」って人から、臨床試験(治験)を本気で探している人まで、幅広く使えるサイトです。
海外の学会で発表された、新薬の臨床試験の内容なども記事としてアップしているので、新薬として期待ができる薬の情報も手に入ります。
患者さんや一般の方々および医療関係者・研究者への情報提供を意図した4つの登録センター(臨床研究実施計画・研究概要公開システム、日本医師会治験促進センター、大学病院医療情報ネットワーク研究センター、日本医薬情報センター、)に登録された臨床試験の情報を検索できるサイトです。
病名で簡単に実施計画のある臨床試験を検索でき、クリックすれば詳しい情報までわかるので、使いやすいサイトです。
ASCO(American Society of Clinical Oncology)アメリカ臨床腫瘍学会
世界で一番大きながんの学会といっていいでしょう。毎年アメリカで開催され、そこでは、世界に先駆けてがんにおけるいろいろな発表があります。このASCOのサイトでは、学会で発表された情報以外にも、がんの臨床試験で公表されたデータを記事にアップしているので、新しい情報が手に入ります。ただし、英語のサイトなので、英語がわからないとつかいづらいです。
生活支援制度を知る
私が罹患した2012年頃はがん患者の生活支援を目的とするサイトは少なかったですが、最近は生活支援情報を提供するサイトも多くなっており、その内容の質も高くなっております。ご自身の悩みの多くはWebサイトが解決してくれる時代になりつつあります。その中で私自身もよく使うおすすめサイトを紹介します。
またまたの登場です。がん情報といったらやっぱり国立がん研究センターがん情報サービスの情報が豊富で正確です。優秀なメンバーが国等から助成金などの補助を得て様々な研究をしています。生活支援制度もたくさんの情報があるので、がんに罹患しいろいろな不安や悩みが出てきたら、とりあえず覗いて見るといいと思います。だたし、どうしても情報に正確さを求めすぎるゆえ、患者の視点に立って、患者の気持ちのかゆいところに届く情報は少ないような気が個人的にします。
製薬企業のがん情報
近年、製薬企業の患者向けサイトの情報が非常にレベルが高いです。製薬企業というと、営利企業なので自社の薬の宣伝をしているイメージがあるかもしれませんが、患者向けの情報サイトでは、がんの治療法などを知るためではなく、がん患者の生活の質の向上を考えて様々な情報を発信してくれています。その中でも、がん患者の生活支援に力を入れている、私がよく使うサイトを紹介します。
アストラゼネカ がんになっても
がん患者が日常生活を元気に自分らしく過ごすための情報を、患者目線で情報発信しているところがお気に入りです。患者の体験談などもあり、がんとの闘病に疲れたときに訪れると元気をもらえるかもしれません。あと、前立腺がん、乳がん、肺がん、卵巣がんには専用サイトがあり、それぞれの患者向けに情報発信をしています。
中外製薬 がんwith
中外製薬のがん患者向けサイトでは、「働くこと」・「お金のこと」・「暮らしのこと」をメインテーマにして、実際にがん患者の闘病に役立つ情報があります。「働くこと」では治療の仕事の両立いついて具体的な対処法なども紹介しており、がんと生活をしていく現実的な知恵を与えてくれます。
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