障害者手帳は障害が残ったときに一定の基準を満たしていおり、各市区町村窓口で申請することにより交付されるものであり障害により、「身体障害者手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」、「療育手帳」の3つの種類に分かれます。がんが対象となる可能性があるのは「身体障害者手帳」です。がんと精神的疾病を併発していれば、「精神障害者保健福祉手帳」も対象となる可能性があります。「療育手帳」は知的障害者が対象となのでここでは割愛させていただきます。
ここでは「身体障害者手帳」について解説していきます。
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身体障害者手帳と障害年金の違い
障害者手帳、障害年金ともに、障害が一定の期間続くまたは残ったときに対象となりますが、制度が自体がまったく異なります。
身体障害者手帳は都道府県により運営されており、細かな規程等が都道府県により異なります。
障害年金は全国の一律の規程と認定基準により日本年金機構によって運営されています。
等級も身体障害者手帳は1〜6級まであり、障害年金は1〜3級(障害手当金)です。身体障害者手帳が1級であれば、障害年金の等級が1級となるわけではなく、障害ごとにそれぞれ決まった基準で等級が定められています。
身体障害者手帳が1級だから障害年金が受給できるわけではありません。あくまで、それぞれの認定基準により等級や支給(交付)の可否が決定されます。
両者とも自ら申請しなければもらえないのは同じです。
障害者手帳は様々な公的優遇サービスを受けることができる他、障害者総合支援法に基づくサービスを受けることもできます。
障害年金は年金として偶数月に現金が支給されます。
身体障害者手帳
障害年金とともに市役所等で申請できますが(障害厚生年金は日本金機構)、身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある者に対して、都道府県知事、指定都市市長又は中核市市長が交付するもので、地方自治体が主体となり障害者が優遇サービスを受けることができます。
介護保険サービスが使えるときは介護保険サービスが優先して使用されます。
障害年金
障害年金は、障害状態になったときに国から年金が支給される公的年金で、日本年金機構法に基づき日本年金機構が運営業務をおこなっています。詳細は当ホームページのがん障害年金カテゴリーでたくさん解説しているのでここでは、割愛させていただきます。
身体障害者の障害の種類
次にあげる障害が一定以上で永続することが要件となります(自治体により多少異なることがありますので、詳細は各自治体までお問い合わせください)。
- 視覚障害
- 聴覚又は平衡機能障害
- 音声機能、言語機能又はそしゃく機能障害
- 肢体不自由(上肢、体幹、下肢)
- 心臓、じん臓又は呼吸器の機能障害
- ぼうこう又は直腸機能障害
- 小腸の機能障害
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
- 肝臓の機能障害
がんに起因して身体に障害が残った場合の具体例
(日常生活への制限の程度により等級が異なります)
- 咽頭部摘出(無咽頭)による音声言語機能障害=3級
- 人工肛門・人工膀胱による膀胱又は直腸機能障害う=1・3・4級
- 肺がんよる呼吸機能障害==1・3・4級
上記の例以外でも、がんに起因して身体障害者等級表(厚生労働省)に該当していれば手帳が交付されます。
申請できるタイミング
原則「障害の状態が固定した」段階で申請手続きが可能となります。
人工肛門・人工膀胱は増設したタイミングで申請できますが、障害により固定と認定される時期が異なりますので注意してください。
身体障害認定における障害固定の時期の目安
身体障害認定における障害固定の時期の目安(愛知県ホームページ)を参考にしてください。
申請方法
身体障害者手帳は各市区町村の障害福祉窓口で申請します。細かな規程は各市区町村により異なりますが、大まかな流れを説明します。
- 市区町村の障害福祉窓口(名称は異なる場合あり)にて申請書類の取得
- 主治医の身体障害者診断書・意見書(1年以内のもの)
(主治医が指定医出ない場合は指定医に作成してもらう) - 市区町村の障害福祉窓口で交付申請書、診断書、本人写真を提出
- 申請から約1〜4ヶ月(自治体により異なる)で手帳交付
身体障害者手帳で受けることができるサービス
各都道府県で運営しているので、細かいサービスは異なるので、各市区町村窓口にお問い合わせ下さい。
共通しているサービスは次のとおりです。
- 医療費、補装具、リフォーム費用の助成
- 所得税、住民税、相続税、自動車税軽減
- 公共交通機関の割引サービス
- その他割引サービス
(携帯電話、NHK、動物園入園料、映画館など) - 障害者雇用での就職、転職
身体障害者手帳を交付されている方は、障害者総合支援法に基づくサービスを受けることができます。
障害者総合支援法
サービス利用の申請
・居住地の市区町村
・市区町村の職員が心身の状況や置かれている環境などを聞き取り調査
・その上で障害支援区分の認定を行い、支給決定
障害者総合支援法によるサービス体系
出典:WAM NET
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