Greeting-代表あいさつ
2012年10月、私自身が35歳、長男が生まれて3ヶ月後に肺がんと診断されました。その後、がんはリンパ節、副腎、脳へと転移し、医師から「これからの治療は根治を目的としたものではなく延命のための治療です。時間を大事にしてくだい」と告げられたことをはっきり覚えています。その当時の肺がんステージ4の5年生存率は5%未満でした。それでも、命を諦めることができない自分がいました。
手術、放射線、薬物療法の治療をしましたが、がんの進行は抑えられず、2016年には癌性髄膜炎という、予後の悪い中枢神経への転移が見つかり、医師は涙をためた赤い目で私を見つめ「いまの状況は非常に厳しいです」と言いました。楽観的な私もさすがに死を覚悟しました。
そのような状況で自分の残り時間の使い方を真剣に考えました。家族との時間、友達との時間、仕事の時間、趣味の時間・・・・
限られた時間をどのように使うかは紛れもなく『自分らしく生きること』であり、一人ひとり違ってくるのは当然のことです。がんに罹患後はいろいろな選択を迫られます。治療を決めるのは「命の選択」であり、時間の使い方は「人生の選択」であると考えています。その時に一人ひとりが後悔のない選択をし、後悔のない人生を歩んでほしい。これが私の強い思いです。
私自身、治療と仕事の両立に苦労し、家族がいるなかで、経済的不安を常に抱えながらの闘病生活でした。就職して一度も見たこともない就業規則をじっくり読んで、休職制度や賃金制度、退職金制度などを調べ担当部署の人間と話し合い、健康保険組合に問い合わせし、公的支援として、がんで障害状態になれば、障害年金をもらえることを知り、障害年金を申請して2級を受給することができました。このお金は自分らしく生きることにとてもプラスになりました。
私は「NPO法人肺がん患者の会ワンステップ」という患者会の起ち上げよりのメンバーです。そこで、たくさんのがん患者が、私と同じように仕事のこと、お金のことなどで悩んでいる現状を知りました。
働ける病状の人、又は働くことが生きがいという人には治療と仕事との両立支援を。病状により働けない人には、働かなくても生活していける支援を。そんな社会になることを目指し、がんに罹患後、社会保険労務士となり、社会保険労務士事務所「Cancer Work-Life Balance」を立ち上げました。
「すべてのがん患者が自分らしく生きることができる社会の創造」
これが社会保険労務士事務所「Cancer Work-Life Balance」の理念です。
社会保険労務士として、そして1人のがんサバイバーとして、ご相談される患者さん・ご家族の皆様の心に寄り添い、がん患者が抱える不安、孤独、生きづらさを少しでも解消し、自分らしく生きるために全力でサポートすることが、運良く生きることができている私の使命と考えています。
社会保険労務士事務所
Cancer Work-Life Balance